世界記録(1時間20分34秒)保持者の山西利和(30=愛知製鋼)が、銀メダルを獲得した。記録は1時間28分1秒。2018年ジャカルタ大会銀以来となった。
序盤から先頭をけん引。吉川絢斗(23=富士通)、中国選手と競り合いながらペースを刻んだ。11キロ過ぎには3回目の警告を受け、2分間のペナルティーエリア内の待機となったが、その後は2番手を死守した。
レース後は「難しいな…」の一言。さらに続けて「昨年に比べればはるかに安定していたなと思っているので、正直、難しかったなというのが正直な感想」と話した。
実施距離変更前の20キロで、2019年と22年の世界選手権を制し、実施距離変更前の20キロの世界記録も持つ30歳の実力者。2月の日本選手権では世界陸連によって世界記録の認定基準として設定されたタイム(1時間21分30秒)を突破し、世界記録となった。
昨年9月の世界選手権東京大会では単独トップに立った直後の痛恨の警告でペナルティーエリアでの待機となり、28位。「自由にやらせてもらっている以上、結果を出さないといけない。その責任もある。この結果で“もう1回やらせてください”と言うのはなかなか難しい。次どうするのか」と話していた。
しかし、今年4月の世界チーム選手権では個人7位に食い込み、団体金にも貢献。復活の歩みを進めてきた。
社会人1年目で初出場して2位だった18年ジャカルタが忘れられないレースの一つといい「そこでの悔しさが翌年の世界選手権優勝につながったのは間違いない。愛知・名古屋大会が来年の世界選手権、28年の五輪につながっていく一歩となれば」と語っていた。
銅メダルだった21年東京五輪、昨年の世界選手権、そして32年ぶりの国内開催となったアジア大会を歩いた経験については「現役の間に多くの経験をさせていただけることは、珍しいと思います。そこの巡り合わせは恵まれているなと思います。勝ち切れていないところは言葉にできないけど」と苦笑いで語った。
今後の目標を聞かれると「今、聞かれるのキツいな」と笑い、こう言った。
「世界選手権、オリンピックの一番高いところ、金メダルは譲れないというか未練があるので、まだもう少し見ていたい」。
◆競歩のルール <1>左右どちらかの足が常に地面についていなければならない<2>地面に前足がついた瞬間から足が地面と垂直になるまでひざを曲げてはならないというルールがある。違反は<1>ロス・オブ・コンタクト<2>ベント・ニーの反則となり、疑わしい場合にイエローカードが出され、審判員が目視で違反と判断した場合、レッドカードの警告が提示される。20キロの場合、警告3枚でペナルティーエリアでの2分間待機、4枚で失格となる。

