日本陸連は25日、東京都内で世界陸上(8月10日開幕、モスクワ)のマラソンと競歩の代表を発表した。最大5枠の女子マラソンは、内定していた木崎良子(27=ダイハツ)のほか、福士加代子(31=ワコール)、野口みずき(34=シスメックス)の3人だけが選ばれた。

 代表入りが有力視された那須川瑞穂(33=ユニバーサルエンターテインメント)は、落選に涙が止まらなかった。「(落選の)リアクションは用意してなかった」。横浜国際は日本人トップの2位も、記録は2時間26分42秒。日本陸連は惨敗続きの女子マラソン界を引き締める狙いで、3人に絞った。「タイムが良くなかったので、文句なしの結果を出すしかないのかな」と言葉を詰まらせた。

 指導する小出義雄氏は「枠を減らす可能性があるなら口頭ではなく、きちんと文書で示しておくべきだ。あやふやな選考は選手の希望をなくす」と憤った。また、高橋尚子さんも「選考方法はどこまで選手に伝わっていたのだろう。なっちゃん(那須川)は大きなショックを受けると思う」と同門の後輩を気遣った。各選考レースで暑さ、風、コースと条件は異なる。小出氏は「記録だけで決めるのはおかしい。自分は20年前から一発勝負がいいと主張している」と話した。