2強に日本が、どこまで食いつけるか-。大会最終日(9日目=4日)の午前9時に、男子マラソンの号砲が鳴らされる。今季世界ランクトップ10で出場するのは、V・キプルト(23=4月10日のロッテルダムで2時間5分33秒)とB・キプトゥー(32=4月10日のパリで2時間6分31秒)のケニア勢の2人。このケニアとエチオピアのアフリカ勢優位の図式は変わらず、日本勢の目標は8位以内の入賞。そのポイントを、日刊スポーツ評論家でもある日本陸連の瀬古利彦理事(55)に語ってもらった。

 ケニア、エチオピア勢が強い。この2カ国を中心にレースは展開されます。女子のように前半は多少、スローで入り中間点を過ぎてからペースが上がる。女子は32キロ付近でしたが、男子はもう少し早いでしょう。25キロ過ぎかもしれません。それも急激なペースアップ。それに他のランナーがいかに対応できるか。

 ケニアのキプルトとキプトゥー、エチオピアはトラックに強くスピードのあるゲブレマリアム。この3人が優勝候補でしょう。ケニアやエチオピアは、集団で走る。ペースアップの合図を誰かが出して、いわばおとりの選手をペースメーカーのように走らせる。そんな作戦でレースの主導権を握るでしょうね。

 日本勢は、世界トップとの差があるので、どうみても入賞争いが目標になるでしょう。急激なペースアップに対応せず、トップが視界に見える範囲で走り、落ちてくる選手を拾う。気がつけば入賞-というのが現状では理想でしょう。

 5人とも力の差はないので、誰が入賞してもおかしくない。できれば3人ぐらいが入ってほしいですね。5人で力を合わせたチームプレーで、団体のメダルを取れば上出来でしょう。