女子100メートル自由形決勝 自身の日本記録を更新し優勝を決めた池江璃花子はインタビュー中に顔を覆う(撮影・滝沢徹郎)
女子100メートル自由形決勝 自身の日本記録を更新し優勝を決めた池江璃花子はインタビュー中に顔を覆う(撮影・滝沢徹郎)

 驚きました。池江璃花子さんが50、100メートル自由形、50、100メートルバタフライの計4種目で6度の日本記録を出して4冠を達成です。

 技術面では、誰よりもストロークが長い。水に対して抵抗を少なく、なめらかに泳ぐことができる。母美由紀さんが水中出産した「水の申し子」。3歳から水泳を始めた当初からセンスは抜群だったそうです。自宅のリビングの天井は雲梯(うんてい)があり、暇なとき、テレビを見るときもぶら下がる。子供の頃からの積み重ねが、偉業を支えています。

 2年後の東京オリンピック。本命は100メートルバタフライになります。本命種目はもちろんですが、今大会を見ると、自由形でもメダルが見えてきました。この日の50メートル自由形の日本記録は53秒03。52秒台に入ってくれば、十分メダル圏内に入ってきます。

 まだ17歳。ストローク、キックともに、パワーアップは期待できます。あと2年ありますし、今の勢いなら間違いなく、さらなる記録更新は可能。日本女子が短距離自由形でメダルという夢は広がるばかりです。

 今大会は池江さん以外にも女子の活躍が目立ちました。400メートル個人メドレーで日本記録を出した大橋悠依さん、100メートル平泳ぎを好タイムで制した青木玲緒樹さん、日本代表に復帰した渡部香生子さん。そして寺川綾さんの引退後、課題種目だった背泳ぎでも、酒井夏海さん、小西杏奈さんらが出てきました。北島さんから男子優位の時代が続いてきましたが、今夏のパンパシ選手権、アジア大会は、日本女子に注目し、期待したいと思います。(伊藤華英=北京、ロンドン五輪代表)

女子100 メートル 自由形決勝 自身の日本記録を更新し優勝を決めた池江は表彰式で笑顔を見せる(撮影・滝沢徹郎)
女子100 メートル 自由形決勝 自身の日本記録を更新し優勝を決めた池江は表彰式で笑顔を見せる(撮影・滝沢徹郎)