昨年の年間王者、宇都宮ブリッツェンの小野寺玲(27)が、まさかのアクシデントで表彰台を逃した。

ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ、地元でのJCL開幕戦。メイン集団で足をためていた残り3周あたりで、思わぬ出来事が発生した。

「違和感を覚えた」という正体は、前輪のパンク。チームカーを呼び、対応を終えたあとにメイン集団に復帰したが、もう1つの誤算が起きていた。4人の逃げ集団にいたカーター・ペトルス(ヴィクトワール広島)が残り1周でアタックを敢行。予想外のタイミングで抜け出されたため、必死の追走をかけた小野寺だったが、3位に1秒遅れの5位に食い込むのがやっとだった。

「昨年はここで勝っていただけに悔しい。(パンク後に)メイン集団には戻れたが、寒くて足がもたなかった。うまく立ち回れなかった。詰めが甘かった」

雨が間断なく降り続け、気温も11度、53人出走中、完走できたのが29人。過酷な環境と路面状況の悪さが逆風となった。

ただ、チームとしての収穫もあった。この日のプランについて西村大輝監督は「6人全員で前に前に攻撃的にいくこと」と明かした。前半はベテランの阿部嵩之が抜けだし、8周目以降は新加入の本多晴飛(22)が逃げ集団に食らいついた。チームは6選手全員が完走。西村監督は「内容的には良かった。みんな順調に調整できている」と手応えを感じていた。

小野寺は「晴飛がいいところを見せてくれたし、チームとして感触は悪くない」と話す。本多も「移籍後初のレースで緊張したが、チームに貢献する走りはできたと思う」と振り返った。

26日は宇都宮清原クリテリウム。主将の谷順成(28)は「(優勝した)カーターを逃してはいけないということが分かった」と気持ちを切り替えた。地元での連戦で、今度こそ表彰台をチーム全員でつかむ。

 

◆上位成績 <1>カーター・ペトルス(ヴィクトワール広島=2時間51分56秒)<2>岡篤志(JCL TEAM UKYO)<3>渡邊諒馬(VC FUKUOKA)