池村寛世(22=フリー)が9バーディー、2ボギーの64で回り、通算15アンダーの198で首位と4打差の3位に浮上した。今大会終了時点で決着するフォールシャッフル争いで27位。竹安俊也(24)丸山大輔(46)秋吉翔太(27)といった当落線上の選手たちも含め、最後まで目の離せない展開となりそうだ。

 優勝争いの裏で、もう1つの熱い戦いが進行している。フォールシャッフル。QT通過者など比較的出場優先順位が低い選手にとって、終盤戦に出られるかどうかが決まる一大事だ。

 ボーダーラインまで約370万円差の池村は今大会5位以上が求められる。実家は高級芋焼酎「魔王」の原料となるさつまいもを栽培する農家。「出場権が取れなくなったら(家業を)手伝うしかない。フォールシャッフルもあるので1打1打諦めずにいく」。同じ最終組で回る宮里優の背中を追いつつ、もう1つの順位でも逆転を狙っている。

 池村と同組で回ったのがフォールシャッフルランク10位とギリギリ圏内の竹安。目の前でのバーディー量産に、心中穏やかではいられなかったという。「正直、ラウンド中もフォールシャッフルのことを気にしてました。『池村君が(圏内に)来たな』って」。21位のままならはじき出されるだけに「怖いものはない。明日、ガムシャラに頑張るだけ」と腹をくくった。

 ランク11位、ツアー通算3勝のベテラン丸山は「オレが上を抜いても、下からもっと抜かれるかもしれない。自分自身が相当いいゴルフをしないと」。21位から、さらなる浮上を誓う。ランク12位の秋吉は追い風を感じている。最終18番、池に向かって一直線だった第2打が縁石ではねてグリーン奥まで転がり、そこから寄せてバーディー。「まだまだ運がある」と笑った。11位をキープできれば、10番目の枠に滑り込める。

 シーズン終盤の“職場”を失えば、賞金シードの道も一気に険しくなる。いつも以上に多くの選手にとって、運命の最終日となる。【亀山泰宏】

 ◆フォールシャッフル 日照時間の短縮に伴い、出場人数が絞られるツアー終盤戦への参戦チャンスを好調な選手に与えるためのシステム。15年から導入された。シード選手など出場優先順位の高い選手を除いた賞金ランクを作成し、今大会終了時点で上位10人に入ることができれば出場優先順位が繰り上がり、今後残る8試合のうち、ほとんどに出場できる。