2022年の国内女子ゴルフツアーがダイキン・オーキッドレディース(3月3-6日、沖縄・琉球GC)で開幕する。

黄金、ミレニアム、新世紀など若手が大活躍した20-21年シーズンは、稲見萌寧が初の賞金女王に輝いた。22年はどうなるのか? 開幕直前企画として経験豊富なプロキャディー数人に今季の行方を“覆面予想”で占ってもらい、計3回でお届けする。最終回は各自のイチ押しプロ。【取材・構成=ゴルフ取材班】

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-賞金女王争いから話題を変えて、みなさんの注目のプロを聞きたい

キャディーC 鈴木愛に復活してほしい。昨季は1勝したけど、賞金ランクは17位。腰の調子が悪かったみたいで、思うようなトレーニングができなかったんじゃないかな。ショットは元々そこまできれるタイプじゃないけど、それにしても悪すぎた。すっかり影が薄くなってしまったけど、まだ27歳です。

-練習で仕上げるタイプだけに、気持ちが乗ってこなかったのかも。

同C 積み重ねに裏打ちされたメンタル、勝負強さは一級品です。「自分はプロ」と胸を張って言える資格のある選手。このまま眠ってしまって欲しくない。

同B 鈴木と同じく、復活してほしいプロとして河本結を挙げたい。19年の賞金ランク6位から、20-21年は予選落ち8回、棄権2回もあってシード落ち。20年からの米ツアー参戦も中途半端な形で撤退になった。技術的にはパットは得意じゃないけど、ドロー、フェード、弾道の高低の打ち分けができるなどショットの能力はトップクラスと思う。感情のコントロールがうまくできず、不振につながったとしか思えない。他の黄金世代が目立っているだけに、すごくもったいない感じがする。

-ブレークを期待したい若手は?

同A 双子の新人・岩井姉妹の姉明愛(あきえ)。昨年、彼女がまだアマチュアだった時かな、自分が担ぐ選手と同組になった時に、すさまじい球を打っていた。距離も高さも出せる。QTランク70位でステップアップ中心だろうけど、ツアーに出られたら一発あると思う。

同D 僕は同じく新人の桑木志帆に興味がある。スイングがいい。気の強さがわかる。ギラギラ感がある。昨年のプロテスト合格後、ツアー2戦、ステップアップ5戦全部で予選を通って、新人戦の加賀電子杯は優勝。QT13位でツアー前半戦はフル参戦だし、すごく楽しみ。

同B 新人の佐藤心結(みゆ)かな。アマチュアで出た昨年のスタンレーレディースで優勝した渋野ら3人と競り合い、プレーオフまで行った。その翌週のプロテストを4位で合格、QTもツアー前半戦をフルに出られる11位でクリアした。変な言い方だけどどっちも1位で派手に決めたわけじゃないのがいい。余裕を持って、危なげなかったところに「本物っぽさ」を感じる。

同C 鶴岡果恋がいい。稲見と同学年の“はざま世代”でシードは惜しくも逃したけど、メルセデス・ランク55位でツアー前半戦出場権を獲得した。ショット力がすごい。ドライバーは飛ぶ、アイアンはきれる。パワーゲーム化が進む時代にマッチしたポテンシャルがある。スタイル、ルックスもいいしね。グリーン周りとパットに磨きをかけたら、一気に化けると思う。