昨年9月のラグビーW杯イングランド大会で日本代表を3勝に導いたエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ(HC)が、日本代表の新体制について辛口評価をした。3月31日に来日し、3日に都内行われた指導者セミナーに講師として出席。終了後に取材に応じた。

 ジョーンズ氏の後任には、現在スーパーラグビーのハイランダーズ(ニュージーランド)を率いるジェイミー・ジョセフ氏が決まっている。ただ、6月のカナダ戦とスコットランド戦は来日が間にあわず、サンウルブズのマーク・ハメットHCが代行する。このことについて「代表の監督がテストマッチにいないのが信じられない」と話した。

 19年W杯日本大会を見据えての言葉だ。まだ時間があるとはいえ、いまは世界ランクが重要となる。W杯の1次リーグの組み合わせは、世界ランクによって割り振られるからだ。ジョーンズ氏は「スコットランドは(世界ランク)9位。日本は10位です。(6月の2試合で)2回とも負けると、ランクが15位くらいまで落ちてしまう」。本番、1次リーグで強豪国との対戦を避けるため、万全の状態で代表活動を行わなければならない。そこでの監督代行という事態を心配した。

 新体制スタートの遅れが世代交代に影響するとの懸念も示した。「(昨年の)W杯の選手の中で、何人かは32歳、33歳になる。19年もプレーできるかどうか。入れ替えることも考えながら育成、強化をしなければならない」。若い選手に経験を積ませたい一方、テストマッチでの敗戦は世界ランク下降につながり、W杯本番での厳しい1次リーグにつながる。「11月にはウェールズと対戦する。厳しい試合で、若い選手を使うわけにはいかない。そうなると、新しい選手を起用できるのも翌年になる」。指揮官不在で格下カナダとの試合を生かせない状況に、疑問を呈した。