打っても、打ってもボールが返ってくる。赤土の王者ナダルの壁はとてつもなく高かった。バブリンカは4度目の4大大会決勝で初黒星を喫し、2年ぶり2度目の全仏優勝を阻まれた。「ナダルの出来が良すぎた」と悔しさを押し隠した。

 「クレーコートで史上最強の選手。最大の難関」と覚悟した強敵に真っ向勝負のストローク戦を挑んだが、わずか6ゲームしか奪えなかった。

 ラリーで押されてイライラが募り、第2セット終盤にはラケットをたたき壊す場面もあった。苦戦必至との下馬評は覆せなかった。