トライアスロン男子で4大会連続五輪に出場した田山寛豪(35=NTT東日本・西日本、流通経大職)が13日、第一線から退くことを明かした。

 15日に東京・台場で行われる日本選手権が最後のエリートレースとなる。田山は19歳の01年に同選手権に史上最年少で優勝。長く日本男子を引っ張ってきたが「東京五輪は違う立場でトライアスロンを盛り上げたい」と、流通経大監督として東京五輪代表を育てることを誓った。

 昨年の日本選手権で10回目の優勝。「これが最後」の思いもあったが、今季も学生を背中で引っ張った。9月にはアジア杯村上大会で優勝。自身のこと以上に5位杉原賞紀、6位古山大の教え子の健闘を喜び「指導者・田山」の顔も見せていた。「引退」の言葉は嫌って「まだレースには出るかも」と言ったが、第一線はラスト。「若い選手は強いけれど、精いっぱいのレースをしたい」と11回目の優勝を目指して話した。

 ◆田山寛豪(たやま・ひろかつ)1981年(昭56)11月12日、茨城県生まれ。茨城・大洗高でトライアスロンに出会い、01年に流通経大2年で日本選手権初優勝。同大卒業後にテイケイのトライアスロン部に入り、04年アテネ大会から4大会連続五輪出場、07年にはW杯で日本人初優勝も果たした。08年に同部が廃部となり、同年から流通経大職員。167センチ、62キロ。