2連覇を目指すサントリーが、苦しみながら開幕8連勝を飾った。

 前半は13-10とリードして折り返したが、後半開始から立て続けに3トライ3ゴールを許して18点のビハインド。後半20分に相手防御ラインを突破したCTB村田大志(29)のトライで反撃ののろしを上げ、同34分にラック際を突いた途中出場のFW飯野晃司(23)のトライとSO小野晃征(30)のゴールで逆転した。

 試合後の沢木敬介監督(42)は開口一番「まだまだ弱いですね、サントリー」と苦笑い。「自分たちがやろうとしていたことが雑だった。雑で隙を与えた」と辛口な評価が続いた。隣でSH流大主将(25)も「内容はひどいもの。次につながるとすれば(18点差でも)コミュニケーションを取れたところ。クロスゲームを勝ち切れたのは良かった」と振り返った。

 これで2季前から続く公式戦の連勝は28に伸びた。焦りが募ってもおかしくない状況でも、日本代表FB松島幸太朗(24)はチームメートに「ラグビーのレベルがすごく低い」と指摘し、流も「しっかりボールを持って、順目(ボールを動かしている方向)に(次の)アタックをすれば、必ずチャンスが来る。チャンスを探そう」と冷静に指示を出した。勝ち続けていることで得てきた“ゆとり”が、逆転勝ちにつながった。

 次節は21日、熊谷で同じく8戦全勝のパナソニックとぶつかる。沢木監督は「弱いということを再確認した。でも、まだまだ伸びしろがあるということ。次までにその伸びしろを伸ばしたい」と力を込めた。80分間の学びを、先に生かす。