シニア2年目でショートプログラム(SP)4位と出遅れた白岩優奈(16=関大KFSC)がフリー1位の126・75点を記録し、合計181・60点で逆転優勝を果たした。

2シーズン目となった「展覧会の絵」を演じ、冒頭のルッツ-トーループの連続3回転ジャンプを成功。昨季からプログラムを継続しているため、7本中5本を演技後半のジャンプとして組み込む。これまで演技後半のジャンプは基礎点が1・1倍となったが、今季からは新ルールで「演技後半のうち、最後の3本のみ1・1倍」に限定された。それでも後半5本を継続する16歳は「体力的にきつくて、本当に息が上がる。それでも試合でやらないといけない」。この日はその後半にもルッツ-トーループの連続3回転を着氷させ、プログラムをまとめきった。

SPの出遅れが響き、逆転優勝にも満足感はない。

「昨日のショートに比べると、ジャンプは安定して、落ち着いて跳べた。少し安心はしているんですが、点数的にはトップの選手に及ばない。たくさんの課題が見つかりました」

演技後には浜田美栄コーチから「とりあえずはこんなものかな。練習していこうね」と声をかけられた。スピン、ステップのレベルの取りこぼし、ジャンプの回転不足など、改善すべきところを白岩も自覚する。

「まだ表現も進化の途中。全日本(選手権、12月)の時に『しっかりと表現しているね』と言われるぐらいになれるように、1つ1つ課題をクリアするために練習を頑張りたいです」

次に待つのはグランプリ(GP)シリーズ第3戦のフィンランド大会(11月2~4日、ヘルシンキ)。少しの安心と危機感を胸に、さらにギアを上げる。