16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)で4連覇を達成して以来、休養していた伊調馨(34=ALSOK)が、788日ぶりの実戦復帰を優勝で飾った。57キロ級で3試合に圧勝。日本協会の強化本部長だった栄和人氏から受けたパワハラ問題を経て、今春から日体大で本格練習を開始した。20年東京五輪挑戦については「100%目指せる環境が整ってから」と明言を避けたが、個人種目で史上初の5連覇へ第1関門を突破した。

<リオ五輪後の伊調の動向>

▼16年8月17日 リオ五輪58キロ級で女子史上初の五輪4連覇を達成。

▼同9月13日 国民栄誉賞授与が決定。

▼17年9月上旬 イランから指導者育成指導の特別コーチとして招へいされる。

▼18年1月18日 栄氏からパワハラを受けたとする告発状を代理人を通じ、内閣府の公益認定等委員会に提出。

▼同3月6日 倫理委員会で、第三者委員会に聞き取り調査を委託。内閣府も調査の意向を表明した。

▼同4月5日 第三者機関が、聞き取り調査の報告書の内容を日本協会に説明。栄氏の一部の行為をパワハラと認定。

▼同6月8日 日本協会の理事会で、栄氏の常務理事解任の方針を固め、23日の評議委員会で正式に決定。

▼同8月10日 日本協会の福田会長と面談し、正式に謝罪を受ける。所属先を通じて、初めて復帰を明言した。