フィギュアスケートの世界ジュニア選手権が6日、クロアチアのザグレブで開幕する。3日、関西勢が大阪・伊丹空港から現地へ出発。女子で今季のグランプリ(GP)シリーズ第3戦ヘルシンキ大会4位の白岩優奈(17=関大KFSC)はジュニア最大の舞台へ「浜田(美栄コーチの)チーム全員の指導を受けさせてもらった。全部を出せるようにやりたい」と誓った。

白岩の気持ちは切り替わった。9位と振るわなかった18年12月の全日本選手権を思い返し「あれがすごく悔しかった。でも、すぐに気持ちを切り替えて、世界ジュニアに合わせてきました」。空港の一角で見せた表情は引き締まっていた。

同選手権を経て、日本連盟は世界ジュニア選手権への派遣を決定。シニアとの大きな違いは、フリーの演技時間が4分から3分30秒に短縮されることになる。その点も年明けに実戦を積んだことで「3分半に(要素を)全部詰め込む形なので、最初はシニアよりきつかった。それでもだんだん慣れてきたし、集中して1つ1つやっていくことは変わらないです」と力強い。

世界ジュニア選手権出場で得られる利点もある。ロシアからは男子でも最高難度の4回転ルッツを操るアレクサンドラ・トルソワ(14)とアンナ・シェルバコワ(14)、スケーティングに定評があるジュニアGPファイナル優勝アリョーナ・コストルナヤ(15)が出場。3選手は今季のロシア選手権で18年平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)金メダルのザギトワらシニア勢を上回り、表彰台を独占している。ハイレベルな戦いを前に、白岩は冷静に意気込む。

「ロシアの選手たちは多分、ものすごい演技をしてくる。来季からシニアに上がってくると思う。横でいっぱい練習したり、演技を見られる。1つのいいきっかけにして、来季につなげたい」

22年北京五輪出場へ、19年は「まずは自分に負けない」と誓った17歳。緊張感のある舞台は、これ以上ない経験になるだろう。

ペアでは三浦璃来(17=大阪ク)市橋翔哉(21=関大)組も同便で飛び立った。今季の全日本選手権ではフリー前の公式練習で三浦が右足首を負傷し、右前脛腓靱帯(じんたい)損傷で約1カ月間、氷を離れた。

大舞台に間に合わせた三浦は「バッチリです」と笑顔。2月は1カ月間、カナダ・モントリオールにいるブルーノ・マルコット・コーチの下で、総仕上げした。今大会がジュニアでの集大成。市橋は「間に合うか不安だったけれど、カナダで毎日集中して練習できた。試合が楽しみ。ジュニアラストイヤーなので、悔いなく終われるようにしたい」と力強く言い切った。