世界空手連盟(WKF)の奈蔵稔久事務総長と全日本空手道連盟の笹川尭会長が13日、東京都内で会見を開き、24年パリ五輪(オリンピック)での空手採用を目指して今後も訴えを続けていくことを明らかにした。

2月21日にパリ五輪組織委員会が発表した追加種目候補はスケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、ブレークダンス。空手がリストから外れたことを受け、奈蔵事務総長はWKFのエスピノス会長、フランス連盟のディディエ会長と今月6日に組織委員会のエスタンゲ会長らと会談した。

奈蔵事務総長によると「『(候補入りの)検討はできない』という返答で、除外された理由も開示されなかった」。ただ、エスタンゲ会長は「話し合いの扉を閉ざすことはない」と、今後もWKFとの交渉には応じる姿勢を示したという。

空手は16年8月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で20年東京五輪の追加種目に採用された。世界5大陸で選手権が開催され、昨年10月のユース五輪(ブエノスアイレス)でも実施された。さらに今年10月のワールド・ビーチ・ゲームズ(米サンディエゴ)にも採用されるなど「五輪サイクルにしっかり入っている競技」(奈蔵事務総長)。しかもフランスは競技人口25万人で国際大会のメダル獲得数世界2位の空手大国だけに、パリ大会での落選は関係者には大きなショックだった。

すでにWKFは会員制交流サイト(SNS)を通じて支援を募るキャンペーンを始めている。世界の競技人口は1000万人超で、競技者の65%が21歳以下、40%が女性というデータもアピール材料になる。奈蔵事務総長は「東京五輪の空手競技の評価もされずに追加種目に推薦されないのは納得できない。まず、候補リストに入れてもらうこと。IOCにも要求をしていく。世界中の選手、指導者に対してWKFは決して諦めないと宣言する」と明言。笹川会長も「努力が欠けていた。しかし、空手には最後の1秒まで逆転の可能性がある。糸が全部切れたわけではないし、世界連盟とフランス連盟が同調してしっかり活動していくことを望みたい」と、あくまでパリ五輪を目指すこと強調した。

IOCは追加種目について今後検討を重ね、6月の総会で承認を諮る予定だが、最終決定は東京大会に実施状況を精査した後の20年12月になる見込みだ。