バレーボール男子日本代表のエースで、イタリアでプロ1年目を戦った石川祐希(23)が、来季は日本国内でプレーする可能性があることを明らかにした。

セリエA(1部リーグ)シエナでのシーズンを終えた石川は29日に帰国し、成田空港でこう語った。「来季ですか? オリンピック(五輪)の前なので日本、海外の両方の可能性を考えています。日本協会の話も聞きながら判断したいと思っています」。

石川は中大在学時代に部の活動とイタリアでのプレーを両立。同大を昨年3月に卒業後、プロ選手としてシエナと契約した。昨秋からのシーズンは今月24日に終了したが、「結果については満足できません。負けて帰ってきたんですから」。チームは3勝23敗と大きく負け越して14チーム中13位に終わり、2部降格が決まった。

ただ、低迷したチームにあって中心選手としての地位を確立したことには手応えも感じている。チームでただ1人、全26試合にスタメン出場。111セットでリーグ12番目の376得点を記録した。アタックだけでなく、ブロックやサーブレシーブの安定感も増した。

慢性的な膝、腰の痛みに悩まされていたが、昨春から夏にかけて治療、リハビリに専念したことで解消した。「コンディションを維持し、全試合スタメン出場という、自分のやるべきことは果たせました」。食事と体のケア、筋力強化に取り組んだことで、シーズンを終えて体重が2キロ増の87キロになったという。

20年東京五輪を前に今年10月には国内でワールドカップ(W杯)が開催される。昨年の世界選手権(イタリア・ブルガリア共催)で「ベスト8相当」の目標を掲げながら1次リーグで敗退しただけに、代表エースとしての責任も感じている。「結果を出さなければならない。五輪のためにもW杯で上位に入ることが最低ラインになると思う」と言葉に決意をにじませた。

世界最高峰セリエAで経験を生かして、万全の状態で東京五輪へ。スケールアップした石川のプレーがW杯後、この秋から国内リーグで見られるかもしれない。