女子テニス界に、また新たな新星が誕生した。世界15位のビアンカ・アンドレースク(19=カナダ)が、コート(オーストラリア)と並ぶ4大大会シングルス歴代最多24度目の優勝を狙った同8位のセリーナ・ウィリアムズ(米国)を6-3、7-5で下し、68年オープン化(プロ解禁)以降、カナダ女子として初の4大大会シングルス制覇を成し遂げた。

アンドレースクは、3度目のマッチポイントで、フォアのリターンを決めると、そのままラケットを放り投げた。セリーナと握手をした後は、コートの真ん中にあおむけで大の字になり、優勝の感激をしっかりと背中で受け止めた。「言葉にするのは難しいぐらい。夢が現実になった」。観客はほとんどがセリーナの声援だったが「全てをブロックして集中した」と笑顔を見せた。

セリーナに、負けじと劣らないパワーで、ストローク戦を制した。第1セットを奪い、第2セットも5-1とリードした。しかし、さすがに勝利を意識した緊張からか、ミスが生まれ、5オールに追いつかれた。そこから、サーブに苦しむセリーナに強烈なリターンを浴びせ打ち勝った。

昨年の3月から4月にかけて、日本で行われた1大会賞金総額わずか2万5000ドルのツアー下部大会3戦を転戦していた。2度の決勝進出を果たしたが、そのツアー下部大会でも優勝できず。全米と同じ時期には、世界200位以下で、昨年の全米は予選1回戦負けだった。

それが、展開や組み立てを考える練習を取り入れると、そのパワーに加えた才能が開花した。今年、いきなり3月のBNPパリバ・オープン、8月のロジャーズ・カップのメジャータイトルを獲得。初めて本戦に出場した全米では、一気に優勝まで駆け上がった。

 

◆全米オープンテニスは、WOWOWで8月26日~9月9日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。