【東莞(中国)=松熊洋介】日本はモンテネグロに65-80で敗れ、5連敗で全日程を終えた。

初勝利へ主将として強い覚悟で臨んだ渡辺雄太(24=グリズリーズ)は、ダンクシュート2本を含む34得点と奮闘。しかしチームは課題とする3点シュートを1本も決められず完敗した。5連敗同士の得失点差により、32チーム中31位が確定した。

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エース八村塁が体調不良や膝の不調で思うようなプレーができず、大会途中で離脱。それに歩調を合わせるかのように、日本のバスケは全く機能しなかった。

八村が欠けたニュージーランド戦は114失点の大敗。田中大貴は「今まで塁に預ければいいという自分がいた」。竹内譲は「塁がいないことで得点力をカバーしないといけなかった」と八村頼みだったことで、日本は新しい戦術もなく、何もできずに敗れた。

渡辺雄太も同じだった。「塁と一緒に代表を盛り上げる」と言いながらも、試合では任せる部分があった。篠山が離脱し、1人主将となってから「チームを引っ張る」と意気込んだが空回り。最終戦で孤軍奮闘したが「ちょっと遅かった」と反省。準備不足を露呈した。

渡辺が「ハングリー精神が足らなかった」と言っていたが、初めから勝負意識が欠けていた。ラマス監督の「全力でぶつかる」という言葉とは裏腹に、選手たちは「米国とやれるのはいい経験になる」「東京オリンピック(五輪)につなげたい」。何としてでも勝つんだという、熱い言葉は聞けなかった。

東京五輪の出場は12カ国で、W杯より厳しい戦いになる。「最強日本」で挑んだW杯で最低の結果となったが、このままでは東京五輪でも同じ結果になるかもしれない。【松熊洋介】