3年ぶりのGPファイナル(12月、イタリア・トリノ)出場が懸かる羽生結弦(24=ANA)が109・34点を記録し、首位発進した。

冒頭の4回転サルコー、続くトリプルアクセル(3回転半)、4回転と3回転の連続トーループを成功。大きな加点を稼いで2位以下に約18点差をつけた。演技を終えるとしばし目をつぶり、大歓声を受け止めた。

「及第点ですね」と良いながらも、口をついたのは悔恨の気持ち。「スケートカナダのSPがあるので、もっと貪欲に上げていこうとしていたので、ちょっと悔しい感覚がある」。10月のスケートカナダが109・60点だったため、手放しで喜ぶわけにはいかない。「フライングキャメルと、ステップシークエンスももっとスピードを出せた」と修正点を明確に挙げ、「もっとできた」と分析した。

スケートカナダではフリーと合計で今季最高点を記録した。3月の世界世界選手権でチェンが記録した歴代最高合計323・42点に、0・83点差と肉薄する演技を見せていた。23日のフリーでチャンスはある。「滑るのが久しぶりで、幸せであり、うれしくもあった」という母国日本でまた新記録を作る。