男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(25=NTT東日本)が西本拳太(トナミ運輸)に2-0で勝利し、2年連続3度目の日本一に輝いた。女子シングルスは奥原希望(太陽ホールディングス)が4年ぶり3度目の優勝を果たした。ダブルスの女子は永原和可那、松本麻佑(北都銀行)組が初制覇した。男子は遠藤大由、渡辺勇大(日本ユニシス)組が2年ぶり2度目の優勝。混合は渡辺、東野有紗(日本ユニシス)組が3連覇を達成した。

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桃田は優勝が見えてきた第2ゲーム終盤、西本のショットがアウトになると「ヘイ! ヘイ! ヘイ!」と会場に響き渡る声で気合を入れ直した。「自分を鼓舞しようと自然に声が出た」。勝利の瞬間は左手を大きく突き上げ、いつもの雄たけびで観客に応えた。 今大会は五輪選考レースに関係ないが、懸ける思いは強かった。何度も経験しているはずの決勝の試合前は「緊張して足が震えるくらいだった」と明かした。それでも、ふたを開けてみれば危なげない試合展開だった。激戦を勝ち上がってきた西本を序盤から長いラリーで苦しめた。同い年のライバルに圧倒。5試合すべてストレート勝ちでその重圧をはねのけ、エースの責務を全うした。

無我夢中で世界1位まで上り詰めた昨年から精神面でも成長した。「日本のエースとして自信をもってプレーできている」と話す。6月から遠征に専属トレーナーを同行させ、大きな故障もなく、今年1年でワールドツアー10勝。日本を背負う覚悟が結果にも表れた。11日からは格付けの高いツアーファイナルズ(中国)に出場。優勝して東京オリンピック(五輪)出場をさらに近づける。【松熊洋介】