世界ランキング35位で、日本のエースの錦織圭(30=日清食品)が1回戦で敗れた。今年ツアー2勝で、同22位のガリン(チリ)に0-6、3-6のストレートで敗れた。錦織が、セットで1ゲームも奪えなかったのは、18年11月のツアー最終戦ATPファイナルでアンダーソン(南アフリカ)に喫して以来だ。

復帰して4試合。相手は、世界22位と、復帰後、最高位の選手だ。世界ツアーが新型コロナで中断する前の2月とはいえ、赤土で2大会連続優勝を飾っている。その赤土を得意とする相手を敵に回し、錦織は少し疲れ気味。「感覚は悪くはなかった」とは言うが、「相手のディフェンスがよく、1歩上だった」と完敗を認めた。

第1セットは振り回され、全くゲームが奪えず。復帰後、初めて見せるフットワークの頼りなさで、軸がぶれてミスが出た。第2セットに入り、相手も勝ちを意識したかミスが出始めた。第5ゲームで、この日、初めて相手のサービスゲームを破るのに成功。しかし、すぐに追いつかれ逆転された。

錦織は、右ひじのけがと新型コロナウイルスの中断から復帰して3大会目。まだ復活にはほど遠いが「(復帰後の調子は)想像通り」だという。「今は時間がかかる。耐えるしかない」と、27日から始まる全仏(パリ)に向けての赤土コート前哨戦を1勝3敗で終えた。