国際水連と一線を画す賞金総額605万ドル(約6億6550万円)の競泳国際リーグ(ISL)に初参戦した「東京フロッグキングス」の北島康介GM(38)が26日、オンラインで取材に応じた。

初陣となった予選リーグ第3戦から一夜明けて「選手は高いチームワークと集中力を発揮してくれた。団体スポーツの形で競技をしていく中で、楽しくやってくれていると思う」と手応えを口にした。

かえる軍団は、4チーム中2位に入った。2日間の戦いではトップの「LAカレント」(米ロサンゼルス)と抜きつ抜かれつの大接戦を展開した。

個人メドレーは男子の萩野、女子の大橋が2種目ずつを制した。北島GMは「個人メドレーの2人は大きなポイントゲッター。2人の活躍は大きなもの。2人ともジャックポット(大差をつけてのボーナス点)をとりながら活躍してくれている」と評価。

また、主将に任命した入江について「海外選手とのつながりもあって、チームを非常にまとめてくれている。(入江の)顔の表情が笑顔になっている。記録の面でもプラスになると思う」。また海外から加入した女子のリア・スミス(米国)、男子のウラジミール・モロゾフ(ロシア)についても「1人1人がチームのためにやってくれている」と感謝した。

ブダペストでの新型コロナウイルス対策についても触れた。入国時にPCR検査と24時間の隔離。さらに3日に1回はPCR検査を受けている。宿舎はドナウ川の孤島に浮かぶホテルで、チーム専用バス2台でプールと往復している。

北島GMは「町はいけないし、ホテルを出る時間も90分と決められている。それは選手だけでなく、スタッフ全員がそう」。行動制限によって、感染症対策を徹底。試合会場の動線も一方通行で、各所にアルコール消毒を設置している。

また、外に出たらマスク着用が義務づけられており、違反した場合は、チームのポイントがマイナスになる罰則もある。食事もソーシャルディスタンスをとって、2人の選手がテーブルで向かい合わせに座ることもないという。北島GMは「医療(のルール)は、非常に厳しく設定されている。選手も高い意識で行動を徹底している、ということはお伝えできます」と口にした。

団体スポーツとして水泳の新しい可能性を探るISL。北島GMは「まだ(団体戦の)ルールとか分からない人が多いと思うが、この魅力を、多くの人に見てもらえるなら(ISLに)取り組んだ価値がある。楽しんでもらえるスポーツになるかなと思っています」。その上で「僕は選手の時よりも疲れてる。ニキビもできるし。泳いでいた方が楽とも思いましたが。ようやくここに立てた。楽しく泳ぐ姿を伝えることがスポーツにとって、大事だと思う」とした。

「東京フロッグキングス」は、次戦として予選リーグ第5戦(30、31日)に出場する。

ISLは世界各地の10チームが参加。競泳では珍しい団体戦を採用している。各レースの順位ごとに得点が設定されて、チーム総得点で競い合う。予選リーグは全10試合で、1試合は2日間で行われて、4チームずつが参加。各チームは予選リーグを4試合ずつを戦って、上位8チームの準決勝に、上位4チームの決勝に進出する。【益田一弘】