樋口新葉(19=明大/ノエビア)が完全優勝した。

フリー132・53点で合計203・24点。フリーに進んだ全24選手の中で唯一の200点台となるハイスコアで、2位に29・12点差をつける圧勝だった。

冒頭、大技に挑戦。「不安要素は、ほぼほぼない」と話していたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を試みた。惜しくもステップアウトとなったが「朝の公式練習でも6分間練習でも降りられた」と調子は良かった。ただ「試合になると難しい。音楽に合わせるとスピード感やコースが変わってくる」と課題を再確認する試合となった。

続く3回転ルッツからの連続ジャンプがオーバーターンになって単発に。「練習で跳べなかったことがあまりない」というジャンプにミスが出たが、3回転サルコー、2回転ループを決めていき、最後は連続ジャンプを3回。2回転半-3回転トーループ-2回転トーループ、3回転フリップ-3回転トーループ、3回転ルッツ-2回転トーループを成功させた。

「目標の200点を超えられた」と一定の手応えは口にした上で「アクセル失敗して、立て続けに失敗してしまった。ミスしても、その後に崩れないような練習をしてきたので、そこは課題」と振り返った。

氷を離れれば大学生。現在もオンライン授業が続くが「今週も課題があって、先週も課題があって。今週は学園祭があったので授業がなくて課題だけだったけど、来週の授業までに出さないといけない…」と笑いつつ「でも練習には行けている。すごく楽になったなと思います」と、新型コロナ禍に適応できている学生生活の一端も明かした。

この後は、下旬のグランプリ(GP)シリーズNHK杯(大阪)と、12月の全日本選手権(長野)へ。「1回、アクセルを試合で降りられれば自信がついてくるはず。練習では成功率が上がってきている」と3回転半の成功を引き続き目指す。同時に「アクセルが跳べても跳べなくても、次のジャンプに影響がないように」と安定性を高めていく。【木下淳】