4校が出場した東京代表で、唯一準々決勝に進出した東京成徳大高が、終了間際の逆転劇でベスト4進出を果たした。安城学園(愛知)に3点リードされていた第4クオーター残り14秒からドラマが生まれた。山田葵(3年)が果敢なドリブルからシュートを決めて1点差。そして終了寸前、山田のパスを受けた佐坂光咲(2年)の逆転の3ポイントシュートが決り、終了のブザーが鳴った。

目標にしていた10大会ぶりのベスト4進出。「最後は自分で決めにいこうと思ったけど、佐坂が空いていたので、決めてくれると信じてパスを出しました。ベスト4は夢だった。それを達成できてうれしい」。山田の顔は試合後も紅潮したままだった。第3クオーター終了時点で72-52。それを第4クオーターで逆転された時は「周りが焦ってきたので、落ち着かせるようにした」という。

準決勝の相手は札幌山の手(北海道)。目標を達成できたことで欲も出てきた。「やってきたバスケットはもっともっとコンセプトが高い。山は越えたわけじゃない」と遠香周平監督。ちなみに過去4度進出した決勝は、すべて桜花学園(愛知)に敗れている。「せっかく(準決勝からの)メインコートに立てるのなら、応援してくれた人たちに恩返しが出来るような結果が出したい。桜花(学園)を破って優勝したい」。166センチの山田がずっと大きく見えた。