新潟県出身のすご腕プレーヤーが、特設コートで躍動した。洛南(京都)のSF小川敦也(3年=鳥屋野中出)だ。13得点、8リバウンド、7アシストをマークして正智深谷(埼玉)に81-69と勝ち、4強入りを決めた。第4クオーター(Q)残り3分47秒には、左足首をひねりリタイア。ケガの状態は未知数だが、ダンクシュートを決めるなどコート上で魅了した。

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スーパープレーを、小川が連発した。21-26で迎えた第2Qの4分だ。ドリブルでリングへ切り込み、ディフェンスを引きつけてから、ノールックのビハインドパス。PF浅野ケニー(3年)にボールを通して3点シュートを演出した。極め付きは同Q、36-35のシーン。タイムアップ寸前に豪快なダンクを決めた。相手のパスミスを自陣で拾って、そのままドリブル。右手1本でボールをリングにねじ込んだ。味方を使い、自分も生かす。ポジションはSFだが、PGからSGもこなすオールラウンダーだ。13得点をマークし、初戦の2回戦から3試合連続2桁得点を挙げた。

ところが、アクシデントが終盤に起こった。第4Qの6分13秒。ディフェンスに跳んだときに相手の体に乗ってしまった。バランスを崩し、コートに着地した瞬間に左足をひねった。以後はベンチに退き、コートに姿を現すことはなかった。吉田裕司監督(62)は「軽い捻挫ではない」と故障の重さを示唆。「明日(28日)、出られる状態かどうか判断する」と語った。

鳥屋野中3年の全国中学大会は準優勝。中学時代に届かなかった“優勝”の2文字を求めて洛南に進学した。昨年は日韓中ジュニア交流競技会(8月=中国湖南省)のU18日本代表に選出されるなど、着実に実力をつけてきた。昨季まで女子バスケットWリーグの新潟BBラビッツを指揮していた父忠晴さん(51=現Wリーグ・アイシンAW監督)は元日本代表センター。そのDNAを受け継ぐ小川は目標の高校日本一に向け、故障の回復を急ぐ。【涌井幹雄】

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