新潟医療福祉大女子バレーボール部の鈴木沙彩(さえ=4年)が今春からVリーグ2部のブレス浜松(静岡)に加入する。同部からのVリーグ入りは3年連続で4人目。ケガを乗り越えVリーグ入りを決断した鈴木はブレス浜松でスタメン入りを狙い、チームのV1昇格の貢献を目指す。3月中旬からチームに合流予定で、新たな環境でのチャレンジがスタートする。

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タイミングが鈴木のVリーグ入りを引き寄せた。大学卒業後、バレーボールを続けようか悩んでいた頃、新メンバーを探していたブレス浜松の浜田義弘監督(48)からオファーの連絡が入った。8月下旬に1度だけチーム練習に参加。「(ブレス浜松)チームメンバーが自分の力を引き出してくれた」。サーブやレシーブなどコンディションが絶好調だった鈴木のプレーが浜田監督の目に留まっていた。

大学ではケガに悩まされ続けた。膝蓋(しつがい)骨損傷、肘の過伸展、小指脱臼など故障との闘い。1、2年時はほぼリハビリ中心で本格的な練習復帰は3年の春からだった。苦しい時期を経て、ナーバスだった気持ちも変わった。自身をコントロールできるようになり、ようやくバレーを楽しめるようになってきた頃に巡ってきた大チャンス。「もう1度バレーをしよう」とブレス浜松加入を決断した。

3月のチーム合流を前に、現在も大学での毎日の練習を欠かさない。午前中はベンチプレス30キロ12回5セットを含めた約14種類のトレーニングと自重サーキットなどのフロアトレーニングをこなし、午後からチーム練習に加わる。

鈴木は自身のプレースタイルを「ブロックもできるアウトサイドヒッター」と表現する。浜松は10日現在で、V2リーグで3位につける。「常にブレがないように高いレベルでいたい」と、まずはVリーグでのスタメン入りを目標に新しいステージに挑む。【飯嶋聡美】

◆鈴木沙彩(すずき・さえ)1998年(平10)6月25日生まれ、福島県出身。小2からさくらスポーツ少年団でバレーボールを始める。北塩原村立第一中(福島)、米沢中央高(山形)でレフトを務める。16年全国高校総体に出場し同年に山形県国体選手にも選抜される。17年春高出場。新潟医療福祉大では19年秋季北信越大学バレーボール選手権で個人賞ベスト6。アウトサイドヒッター。172センチ、65キロ。