東京オリンピック(五輪)アーチェリー代表最終選考会の最終日が開かれ、12年ロンドン五輪女子団体銅メダルの早川漣(33=デンソーソリューション)や男子で五輪5大会連続出場を目指す古川高晴(36=近大職員)が、代表入りを決めた。初日の選考を勝ち上がった男女各4人が出場した。72射の合計得点で争われ、それぞれ上位3人が代表入りとなった。

早川が連日のトップ通過で、12年ロンドン五輪以来となる代表の座を勝ち取った。横殴りの雨と激しい風が吹き荒れる天候の中、ベテランならではの修正力の高さを発揮して633点。初日と比べて27点低い結果だったが、悪コンディションを考えれば上出来。何よりも所属先の社員200人以上から寄せられた激励に応える活躍ができたと喜び、「良い報告ができそう」と声を弾ませた。

12年ロンドンを終え、長年抱えていた右肩痛が悪化したことで一時は現役を退いた。長崎県の職員として大学の選手の指導や普及活動に携わった後、東京五輪を目指そうと17年に現役に復帰。19年には夫でJOCエリートアカデミーコーチを務める金星辰さんと結婚。食事のサポートをしてもらうなどしながら、代表選考会に備えてきた。

1年延期後は少しずつ調子を上げていったが、最終選考会前には右肩の痛みがひどく満足に練習できなかった。大会最終日の前日夜は「寝返りがうてないほど肩の痛みがひどくて寝れなかった」。それでも念願の五輪代表入りを果たし、ほっと一安心する。「肩と相談しながら、明日からまた準備する」と意欲的だ。

早川の他に女子の代表内定者は、山内梓(近畿大)と中村美樹(ハードオフコーポレーション)。共に五輪初出場となる。オリンピック経験者として2人をどう支えていくかと問われ、早川は「私が引っ張るのではなく、後ろで支えてあげたい」。集大成と位置付ける東京五輪で2回目のメダル獲得を目指す。

【平山連】