25日から11年ぶりに北海道で開催される全国高校選抜。新体操は、男子の恵庭南(北海道)が来年定年を迎える工藤直人監督(59)のもと、15年以来6年ぶりの優勝を狙う。

   ◇   ◇   ◇

新体操男子の恵庭南が、11年ぶりの北海道開催で全国の頂点を目指す。昨年はコロナ禍で選抜、総体、国体が中止。9月にビデオ投稿で競うオンライン選手権高校生部門に出場(15位)したが、緊張感のある試合は久しぶりだ。今回は無観客だが、井戸亮利主将(2年)は「開催されるだけでありがたい。優勝を第一に考えて、メダルを目指して頑張りたい」と意気込む。

就任22年目の工藤監督は来年度で定年を迎える。最後となる夏の総体での優勝へつなげるためにも、15年以来6年ぶりの選抜制覇を狙う。部員は8人で、そのうち1年生は6人。集大成に向けて指揮官は「メンタル面が重要。うまくいけば結果は出せる。勝機はある」と話した。

2月は学級閉鎖などもあり、全体練習はほぼできなかった。通常なら大会まで演技を完成させるため2カ月の調整が必要という。今回は13メートル四方を目いっぱい駆け抜ける「運動量が多い」(工藤監督)構成。高さのあるダイナミックな組技が見どころだ。昨年10月の原因不明の発熱により現在は裏方に回る井戸も、チームメートの演技に「完璧にできれば、かなり高い得点を狙える」と自信を持つ。チームの思いは1つだ。「工藤先生に優勝カップを渡してあげたい」。【保坂果那】