実力者コンビを加えトップリーグ昇格を目指す。バドミントンのコンサドーレが、17日開幕の北海道実業団選手権(札幌)で今季初の公式戦に臨む。今季から、東京オリンピック(五輪)出場内定の桃田賢斗(26=NTT東日本)と同じ富岡高(福島)出身で、全国制覇を経験している山沢直貴(法大)、本田大樹(龍谷大、ともに22)が加入。新戦力を加え、今季同じS/Jリーグ2部に降格するJR北海道との前哨戦を制し、11月のリーグ戦(栃木)制覇と初の1部昇格につなげる。

   ◇   ◇   ◇

コンサドーレがニューパワーを融合し、上を目指す。山沢は高校3年の全国高校総体シングルス優勝、本田は猪苗代中(福島)3年時に全国中学ダブルス王者。高校3年時はダブルスを組み、全国高校総体3位に入った息の合ったコンビだ。異なる大学で日本一を目指すも、昨年はコロナ禍で大会が中止。本田が「不完全燃焼だった。もっと上に行きたい」と、高校時代の相棒、山沢を誘い加わった。山沢も「チームの勝利のために、ベストを尽くしたい」と意気込んだ。

2人は東日本大震災直後の11年春に、現在世界ランク1位の桃田の出身校、富岡第一中(福島)に進むはずだった。震災の影響で休校となり、猪苗代中に通学しながら練習は富岡第一中や富岡高(現在休校中)の先輩と一緒に行った。2学年上には混合ダブルスで東京五輪確実な東野有紗(24=日本ユニシス)、富岡高2年には桃田が在籍。日本トップクラスの環境で育ち、実績も重ねてきたコンビが、目標のS/Jリーグ昇格の力になる。

そのための前哨戦が今回の道実業団選手権だ。17年の発足後、団体戦で勝てていないJR北海道が今季、同じS/Jリーグ2部に降格してくる。コンサドーレは19年にS/Jリーグ2部初参戦も、2位で昇格を逃した。昨年はコロナ禍でリーグ中止。2年ぶり開催となる11月のリーグ戦は、1部復帰を目指すライバルとの対戦が昇格のカギとなる。大越泉主将(28)は「まずは今大会でJRに勝って、いい流れにしたい」と気を引き締めた。

コンサドーレはサッカーがJ1定着、カーリングは全日本選手権3連覇し、世界選手権に出場。北京五輪出場枠獲得には至らなかったが、同競技の国内トップを走る。本田は「今年はバドミントンでもコンサドーレの名前を売り込んで行けたら」。仲間の奮闘を刺激に、7人のメンバーがバドミントン界のトップを目指す。【永野高輔】

◆バドミントン・コンサドーレの歩み サッカーJ1札幌の関連社団法人コンサドーレ北海道スポーツクラブにより17年に発足。18年2月にチャレンジリーグ2部(旧日本リーグ4部相当)に初参戦し優勝。19年にはチャレンジリーグ1部で優勝し、入れ替え戦にも勝ちS/Jリーグ2部に昇格。同年11月のS/Jリーグ2部では5勝2敗の準優勝で昇格を逃す。20年はコロナ禍でリーグ中止。今季S/Jリーグ2部優勝なら、国内トップのS/Jリーグに自動昇格となる。