ノルディックスキー・ジャンプ男子の小林陵侑(24=土屋ホーム)が21日、オンラインで取材に応じた。昨年11月から海外遠征に行きっぱなしの異例のシーズンを終え、帰国後の自主隔離期間をへて約5カ月ぶりに札幌市内の自宅に帰宅したばかり。次のシーズンは22年北京五輪が控え「率直に言ってメダル、金メダルを取りたいけど、とにかく自分のジャンプをするだけ」。W杯では18~19年に個人総合覇者に輝いているが、まだ手にしたことがない五輪金メダル獲得へ意欲を見せた。

五輪プレシーズンの20~21年はW杯で3勝を挙げ、所属先の監督でもある葛西紀明(48)の17勝を上回る日本男子歴代最多の通算19勝をマークした。再会時には「おかえり」とハグして迎えられた。シーズン中は「ちょくちょく連絡をくれて、つらい時も励ましてくれて、さすが監督だなって思った」とあらためて尊敬の思いを深めた。記録達成時には「やっと勝ったな、おめでとうって言ってくれた」と、祝福のメッセージを受け取ったという。「1勝1勝積み重ねてここまでこれた。これからも1勝1勝を積み重ねていきたい」と気持ちを新たにした。

シーズン前半は2ケタ順位が続き苦戦したが、後半は調子が上向き、最終的にW杯個人総合では4位に入った。「すごく長いシーズンの中、前半はすごく悔しい試合が続いたけど、後半持ち直すことができた。収穫のあったシーズンだった」と振り返る。五輪シーズンへ、「この夏は一からジャンプを見直して新たに臨みたい」。現時点では5月中旬からチームで沖縄・宮古島での合宿を予定しており、体づくりからスタートする。

◆小林陵の20-21年シーズン個人戦成績 W杯は3勝、2位が2度。今年2月12日ザコパネ大会(ポーランド)でシーズン初勝利を挙げ、葛西紀明のW杯男子歴代最多17勝に並ぶと、同19日ルシュノブ大会(ルーマニア)で単独最多の通算18勝目。3月25日プラニツァ大会(スロベニア)で、勝利数を19まで伸ばした。世界選手権(ドイツ)ではノーマルヒル12位、ラージヒルは転倒が響き34位に終わった。