東京オリンピック(五輪)の女子アーチェリー代表に内定している浜松市出身の山内梓(22=近大職、浜松商高出)が21日、所属先の近大総合グラウンド洋弓場(奈良県生駒市)で練習を公開した。代表入りを決めた先月21日の最終選考会から、ちょうど1カ月が経過。「じわじわと実感がわいてきて、今は責任も感じている」と、日ごとに増す自覚を口にした。

最終選考会では左肩に痛みを抱えながら、痛み止めを服用して出場。ボーダーラインの3位で東京五輪代表の座を射止めた。現在は、患部の状態も順調に回復。この日も、従来の練習に近い250本の矢を放った。「今は痛みもほとんどない。順調に調整できていると思う」と、充実した表情で汗を拭った。

今春に近大職員となり、東大阪市で1人暮らしも始めた。「最初はすごく寂しかったけど、すぐに慣れた。ゆっくり湯船にもつかれるので、疲れも取りやすいかなと思う」と笑顔で話す。嫌いな野菜も必ず取り入れるなど、コロナ禍での自炊にも積極的に挑戦。私生活でも、大舞台への準備を進めている。

今後は28日から日本代表合宿に参加し、6月には韓国で開催されるアジア杯に出場予定。「自分の目標は、メダルを獲得すること。代表に選ばれたからには、その責任がある。挑戦者として強い気持ちを持って、目標に向かってさらに頑張っていきたい」と改めて決意を示した。自身初の五輪まで、残り約3カ月。万全の準備を整えていく。【前田和哉】

◆山内梓(やまうち・あずさ)1998年(平10)9月11日、浜松市生まれ。与進中-浜松商高。中学時代は卓球部。弓道部だった姉の影響で、高1からアーチェリーを始めた。高3時の全国総体団体戦で優勝に貢献。卒業後は近大に進み、大学3年時にインカレ個人優勝。160センチ。家族は祖母、両親と姉2人。