世界45位の錦織圭(31=日清食品)が、区切りのクレーコート通算100勝目を初戦突破で達成した。

同28位のファビオ・フォニーニ(イタリア)を1時間19分の6-3、6-4のストレートで下した。2回戦は2月の全豪で敗れた同12位のパブロ・カレニョブスタ(スペイン)と対戦する。

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好サーブが通算100勝目につながった。第1サーブが入った時の獲得率が高く「ほぼほぼ完璧なプレーができたと思う」と錦織。フォニーニは元世界9位で、ツアー9勝のうち8勝がクレーという赤土大好きな強豪だ。しかしパワーヒッターではなく、威圧感はない。錦織はリズムをつかみやすかった。

錦織にとって最も得意なのは、育ったハードコートだ。14年全米で、アジア男子初の4大大会決勝に進んだのもハードコート。通算12度のツアー優勝のうち、10勝がハードで、試合の勝ち星は通算274勝だ。優勝の残り2勝がクレーで、ハードに次ぐ実力を誇る。

この日も「滑り出しが良かった」と、スタートから3-0とリード。3オールに追いつかれたが、そこから相手のミスにつけ込み再び3ゲームを連取。第1セット先取すると、そのまま押し切った。

次戦の相手は、2週間の完全隔離を経験したオーストラリアで対戦したカレニョブスタだ。当時はまだ今季の滑り出しで、練習不足での対戦でもあった。強豪だが、決してやりにくい相手ではないだけに、30日開幕の全仏前最後の大会でひと暴れしたい。

◆錦織のコート別勝敗 錦織は今大会の1勝を加え、ツアー本戦の勝敗で通算415勝203敗だ。最も勝利を挙げているのはハードで274勝134敗。ハードでは10度の優勝も挙げている。続くのがクレーで100勝45敗。勝率では、ハードの6割7分2厘を上回り、6割9分と7割近い勝率を誇る。ウィンブルドンに代表される芝コートは40勝24敗。カーペット(室内にゴム状シートを敷いたコート)1勝0敗。