今ある実力をぶつける。バレーボールのV・サマーリーグ女子東部大会が今日25日、富山・黒部市総合体育センターで2年ぶりに開幕する。Vリーグ2部(V2)のアランマーレ(山形)は、原田栞里(22)と菅原里奈(24)の「東海大コンビ」が勝利に貢献する。今季初の公式戦となる今大会は3日間行われ、V1埼玉上尾、V1KUROBE、今秋からV2に参入するリガーレ仙台とグループリーグを戦った後、順位決定戦に臨む。

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<原田「攻撃の柱」>

「攻撃の柱」として、ルーキーの原田が“超攻撃型”バレーの一翼を担う。東海大では主将を務め、昨年12月の全日本インカレ準優勝を経験。入団から約2カ月半が経過し、初の公式戦では「リーグ戦に向けてやってきた結果が発揮できると思うので、今の自分のレベルで、どこまで通用するのかチャレンジしてみたい」と意欲を示した。

チームは昨季のV2で過去最高の3位に入ったが、得点数をアタック打数で割った、アタック決定率は全9チーム中7位の31・5%にとどまった。今季は同決定率アップに向け、今まで培ったトータルディフェンスを継承しつつ、より攻撃的なチーム作りを進行中だ。北原勉監督(41)は「(原田は)超攻撃型なところにとらわれず、守りも頑張っている。今のチームに欠かせないメンタリティーもあるし、軸になってもらわないと困る」と期待を寄せた。

憧れの選手と再び歓喜の瞬間を目指す。原田は4月の入団会見で憧れの選手を聞かれ「たくさんの方に愛されて、コートの中では負けず嫌いなプレーをする。コートの中と外では違う顔が見られる選手」として2学年先輩の菅原を挙げた。同大では2年間ともにプレーし、試合中に見せる菅原の笑顔や明るさに元気をもらっていたという。「自分は攻撃の面でチームに貢献できると思う。V2でも一番得点を取れる選手を目指していきたい」。持ち味を生かして、エースの階段を上がる。【相沢孔志】

◆原田栞里(はらだ・しおり)1998年(平10)10月26日生まれ、宮崎市出身。宮崎日大-東海大。170・5センチ、ポジションはアウトサイドヒッター。

<菅原「守備の柱」>

菅原は「守備の柱」で、コートに君臨する。昨季のV2リーグ戦は14試合に出場し、ブロックでリーグ最多の38得点をマーク。初のブロック賞を受賞した。それでも「自分の力だけではなくて、仲間の力も借りて取れたもの。自信を持ちつつも、これからもっと練習しなければいけない」と慢心はしていない。

チームの意識が守備的から攻撃的に変わったことで「コートに入っているアタッカー全員が積極的に攻撃することが絶対必要になる。守備だけではなくて、攻撃の部分でも存在感を出したい」と強調。今年で在籍3年目となりチームでは中堅の立場に。責任感も増し、さらなる成長を誓った。北原監督は「チームに落ち着きをもたらすプレーをしてくれると勝利も見えてくる。3年目以降は、プレー面だけではないところも重要になる」と注文をつけた。

昨年はコロナ禍でサマーリーグは中止となり、2年ぶりの舞台。「V1のチームと試合ができることもあって、たくさん吸収できる大会になれたら」と菅原。V1に現在の力を試し、10月開幕のリーグ戦に備える。

◆菅原里奈(すがわら・りな)1997年(平9)3月24日生まれ、秋田市出身。秋田北-東海大。174センチ。ポジションはミドルブロッカー。

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<宮本主将、V1チームとの対戦に闘志>

責任感を胸に、チームを先導する。今春から主将の宮本菜月(24)は「V1のチームと対戦できるので、挑戦する気持ちを忘れずに、自分自身も力を試すという気持ちで戦う」と意気込んだ。身長177センチはチーム2番目の高さで、勢いのある攻撃が武器。北原監督は「超攻撃型の中で宮本が中心になっている。自分の良さを発揮してチームに貢献してくれたら」と活躍を願った。大会2日目に戦うリガーレ仙台には大和南高(神奈川)の2学年後輩の宮田あかり(22)が今春入団。宮本は「久しぶりに会って対戦することもあり、負けていられない気持ちがある」と闘志を燃やしている。