バレーボール男子のアジア選手権が開幕し、日本が初戦でカタールに3-0とストレート勝ちを収めた。

主将の石川祐希(25=ミラノ)がベンチで戦況を追う中でも、この日シニア代表デビューを飾ったオポジット(セッター対角)、宮浦健人(22=ジェイテクト)ら若手選手が持ち味を発揮。宮浦はチーム3位タイの10点を挙げ、勝利に貢献した。好発進を切った日本は13日の次戦でバーレーンと戦う。

スターティングメンバーに名を連ねた宮浦は、第1セットから鋭い強打や持ち味の力強いサーブを披露し得点を重ねた。「1、2セット目の中盤くらいから緊張が取れて、自分のプレーができるようになった」と振り返った。

この日の自身の出来については「70点くらい」と答え、「3セット目はレシーブのポジショニングがしづらい状況をつくってしまった」と課題を口にした。それでも、デビュー戦を白星で飾れたことへの安堵が勝った。

ユース年代からその名は知られ、17年のアジアユース選手権では主将としてチームを優勝に導き大会MVPにも輝いた。後輩の西田有志(21=ビーボ・バレンティア)とは縁がある。共にサウスポーで、ポジションは同じく攻撃専門のオポジット。ただ、ユース年代では宮浦の方が序列が上。西田はポジションを奪うことができなかった。

早大時代に宮浦は全日本インカレで4連覇を経験し、2020-21シーズンからジェイテクトに加入。既にチームのエースとして君臨していた西田と再会を果たした。今度は宮浦が追う形となり、ライバルは来季からイタリア1部セリエAでプレーする。今回のアジア選手権には西田は足首の疲労骨折などで招集外となり、来季に向けてイタリアに渡った。

しのぎ削ってきたライバルが不在の中でも好アピールを続けることが、3年後のパリオリンピック(五輪)に向けた代表に生き残る鍵となる。宮浦は「まずはこの大会で自分の力をしっかり出すことに集中したい。先のことを考えず、1日1日を全力で頑張りたい」と話していた。