バレーボールV1女子のNECレッドロケッツに所属する五輪代表でアウトサイドヒッターの古賀紗理那(25)、ミドルブロッカーの島村春世(29)と山田二千華(21)の3選手が23日までに日刊スポーツの取材に応じ、東京五輪で思い描いた結果が残せなかった悔しさを語った。本大会では1次リーグ敗退となったが、3年後の24年パリ五輪で雪辱を期す。来月15日に開幕する新シーズンに向けて伝統の「堅守速攻」に磨きをかけ、16-17シーズン以来となる王座奪還を目指す。【平山連】

初めて五輪の舞台を戦い終えた古賀は「悔しさしかないです」と振り返る。初戦のケニア戦で負傷し、第4戦の韓国戦で復帰を果たした背景には、当時監督の中田久美さんと交わした約束があった。

ブロック後の着地で相手選手の足を踏んで倒れた古賀は、自力で立ち上がることができなかった。コートを後にし、そのまま病院に直行。宿舎に戻ったのは未明。帰りを起きて待っていた指揮官に対し「歩けます」と伝え、大会中にコートに戻ってくると明言した。

韓国戦での復帰に照準を合わせ、痛み止めの薬を飲み、テーピングを施して復帰した。それでも実際は「パフォーマンス自体は半分くらい。足も本調子じゃなかった」と言うが、チーム最多の27得点をマーク。善戦むなしく熱戦を落とし、最終戦にも敗れ日本は25年ぶりの1次リーグ敗退となった。日本が世界で勝ち抜くために必要なことについて、古賀は「小さい体格でも大きい相手に気持ちだったり、高いプレーの技術が必要になってくるんじゃないか」と敗因を分析した。

10月から始まるVリーグ新シーズンに向け「これからさらに成長していかなきゃいけない」。365日ファンから愛されるチーム目指してホームゲームに力を入れる周囲のサポートに感謝しながら、「プレーで見せたい」。短い言葉の中にも強い決意がにじんでいた。

◆古賀紗理那(こが・さりな)1996年(平8)5月21日、佐賀県神埼郡生まれ。5歳で熊本に引っ越し、小2で本格的に競技を始める。大津中、熊本信愛女学院高と進み、高2から女子日本代表入り。卒業後はVリーグのNECに入団し、以来主軸として活躍している。座右の銘は「継続は力なり」。180センチ、66キロ。最高到達点307センチ。