世界選手権3連覇中のネーサン・チェン(22=米国)が、ベールに包まれていた22年北京オリンピック(五輪)シーズンのプログラムを初披露した。

曲かけでフリープログラムを試し、会場に流れたのはモーツァルトのメドレーだった。「ピアノ協奏曲第23番」から、モーツァルトの絶筆とされている「レクイエム」の「ラクモリーサ」へ。4回転ループ、4回転フリップ-3回転トーループの2連続、4回転トーループから3回転フリップにつなぐ3連続ジャンプなどを跳びながら、厳かに舞った。演じ終えると、有観客の場内から歓声と拍手が上がった。

通し練習でフリーを選択したためショートプログラム(SP)は翌日の直前練習および本番に持ち越しとなったが、大会資料によると、英歌手ベンジャミン・クレメンタインの「エターニティ」と「ネメシス」に決めた。「ネメシス」は18年平昌五輪のSP曲だ。当時まさかの17位に沈んで、フリー1位ながら総合5位でメダルを逃したリベンジか、同じ楽曲を4年後に再演することになった。ともに振り付けはシェイリーン・ボーンさんが手掛けたという。

チェンは19日に行われた米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)の会見に出席し「初戦のスケートアメリカは新たなプログラムを披露する絶好の機会だ」とお披露目を予告していた。【木下淳】