22年2月4日の北京オリンピック(五輪)開幕まで27日であと100日となり、代表争いも本格化する。初出場を目指す北海道出身または北海道を拠点に活動する代表候補たちは、本番への思いを高めている。大舞台への切符を目指す各競技のアスリートたちを紹介する。

フリースタイルスキー・モーグル男子の札幌市出身、川岡士真(19=北翔大)は現在スイスで雪上練習に励んでいる。「残り3カ月とちょっと。短い期間だけど、ここから自分なりに考えてトレーニングすれば、まだまだ伸びると感じている」と充実した表情を浮かべる。

今年3月にロシアで行われた世界ジュニア選手権男子デュアルモーグルで優勝した。「自分のしたかった滑りができて成績を残せた」。五輪プレシーズンに飛躍し、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪が目標だったが「自分も目指せる位置にいる。五輪は大きな舞台なので目指したい」と、北京五輪を意識するようになった。まずはワールドカップ(W杯)開幕メンバーに入りデビューを果たし、上位の結果を残して選考対象になるのが目標だ。

高難度の技に手応えがある。斜め3回転の「コークスクリュー(コーク)1080」に夏から挑戦中だ。世界ではこの技が最近の主流。上位では1回転多い「コーク1440」を繰り出す選手もいる。日本のエース堀島行真もその1人だ。川岡は昨季までは「コーク720」で戦っていた。「形になってきている」とうなずく。

武器はスピード。「スピードだけなら世界のトップレベルで戦っていける自信がある」。エアの技に磨きをかければ、強さを増す。平昌五輪で原大智が日本男子初の銅メダルを獲得した姿にあこがれる。「五輪でメダルを目指す」と思い描いている。【保坂果那】

◆川岡士真(かわおか・しま)2002年(平14)7月26日、札幌市生まれ。3歳からスキーを始め、札幌屯田北小5年からモーグルを始める。北海高では陸上部に所属し、2年時には全道新人110メートル障害で3位。同3年時に世界ジュニア選手権デュアルモーグル優勝。21年4月に北翔大に入学。家族は両親。

◆モーグルの北京五輪代表選考 昨季と今季のW杯と世界選手権で(1)8位以内1回以上(2)10位以内2回以上(2シーズン合計)(3)12位以内3回以上(同)の派遣推薦基準を満たした選手が対象。男子は17年世界選手権優勝の堀島行真や杉本幸祐が基準クリア。女子はW杯表彰台4度の17歳川村あんり、世界選手権5位だった冨高日向子、昨季W杯3位に入った倶知安町出身の住吉輝紗良、ベテラン星野純子が候補だ。