インターハイ準優勝の帝京長岡が、開志国際に81-75で勝ち、3年ぶりの優勝(全国大会出場は2年ぶり)を決めた。得点源のF島倉欧佑(3年)が第1クオーター(Q)の途中で右手首をひねりリタイア。手痛いアクシデントを乗り越えて接戦を制した。全国大会の出場枠3の男子は開志国際、北越も出場権を獲得した。全国大会(東京)は12月23日に開幕する。

満身創痍(そうい)でつかんだ帝京長岡の優勝だった。第1Q途中に、9得点していた島倉が右手首捻挫でベンチに退いた。シュート時のマークに、空中でバランスを崩して不自然な形でコートに右手を突いた。「気持ちを入れてきたから、残念」と言うポイントゲッターを欠く戦いを強いられた。しかし、流れが二転三転するゲームを制したのはインターハイ準V校だった。

柴田勲監督(52)は「エースがいないと得点の安定感がない」と話した。不利な条件を主将のPG田中空(3年)ら、コートに立った5人がカバーし合った。インターハイ後は新型コロナウイルス感染症の陽性反応者が部員内に16人出る緊急事態。本来なら対外ゲームを積む時期に部活動は約1カ月間ストップした。他校と1度も練習試合ができず、「この大会は厳しいと思っていた」と柴田監督。ところが、ぶっつけ本番で挑んだ選手が、指揮官の不安を吹き払った。

地元長岡市で開催された今夏のインターハイでは「新しい歴史を作ろう」を合言葉に初の決勝進出を果たした。歴史の次の1ページを開くには全国制覇しか残されていない。田中主将は「(ウインター杯は)日本一への最後のチャンス。チャレンジャーとして臨みたい」と力強かった。【涌井幹雄】

◆決勝リーグの結果(7日)

帝京長岡(3勝)81-75開志国際(2勝1敗)

北越(1勝2敗)118-82柏崎(3敗)

■開志国際、第3Qで逆転許す

開志国際は第2Qまで47-39と8点リードを奪い折り返した。だが第3Qで13-27と帝京長岡に逆転を許す。逆に追う展開となり、そのまま押し切られた。富樫英樹監督(59)は「3クオーターの出だしがすべてだった。(全国大会までに)ディフェンスを強化し、40分戦う」と全国舞台での巻き返しを誓った。

■北越は33年ぶりの出場権

北越は88年の初出場以来33年ぶりのウインター杯出場を決めた。88年生まれの後藤寛史監督(33)は「運命を感じる」と生まれた年以来の出場に笑顔だった。北越高OBでセンターを務めていた現役時代は県予選で8強止まり。「現役時代は悔しい思いを味わったが指導者として全国に行けるのはうれしい」と後輩で教え子の奮闘に感謝していた。