101回大会で新たな歴史を刻む。全国高校ラグビー大会が27日、大阪・花園で開幕する。4年連続28度目の出場となる山形中央は、過去最高を超える3回戦進出が目標だ。和合祐作主将、鑓水力暉也(やりみず・りきや)ら花園での“落胆と歓喜”を知る3年生を中心に一致団結し、全国の強豪に挑む。全国51代表で争う組み合わせ抽選会は4日に行われる。

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3年間の集大成に向け、山形中央の挑戦が始まる。10月の県大会決勝、山形南戦はボールを積極的に動かすラグビーを展開、88-0の決勝最多得点で全国切符を手にした。前半だけで50得点。終始優位に試合を運んだが、和合は「後半に集中力が切れてしまって、簡単なミスや得点を与えるチャンスを作ってしまった」と反省。現在は、実戦で見つかった課題の修正にチーム一丸で取り組んでいる。

“落胆と歓喜”を知る3年生がチームの軸を担う。1年生で臨んだ19年は、1回戦で報徳学園(兵庫)に大会史上最多の162点(5-162)を奪われ大敗。「フィジカルの部分、ラグビーの理解度やスキルが(山形)中央を超えていた」と、今でも強烈に印象が脳裏に焼きついている。大敗を糧に臨んだ20年は、1回戦で旭川龍谷(北北海道)を15-0で撃破。山形県勢として16年ぶりに初戦突破を果たした。

選手の意識が歴史的1勝を経験して変わった。佐藤大志監督(36)は「自信を持って練習に臨めるようになった。『やればできるんだ』というモチベーションの部分で去年の勝利は大きかった」。上級生を中心にチームがまとまり、マネジャーを含めた部員21人の団結力も徐々に増してきた。和合は「自分たちは外からの展開や、(キックを)蹴ったりしてボールを動かすラグビーを取り組んできた。理想の形でトライを取って1勝したい」と決意表明した。

「兄を超える」思いを持つ選手がいる。鑓水は、昨年まで同校在籍の兄飛暉也(ときや)とプレー。20年の2回戦で東海大相模(神奈川)に敗れた後に「来年もしっかり花園に出場して、俺たちの成績を超えてくれ」と思いを託された。力暉也は「自分はパスとキックはもちろん、時には自分が攻めるプレーをしたい。守備ではタックルで押し返してボールを奪えたら」と意気込んだ。「花園で勝ってみんなと喜びたい」。節目の100回大会で味わったあの喜びを、今年も全員で分かち合う。【相沢孔志】