初出場の秋田北は京都両洋に78-90で敗れ、全国初勝利を逃した。攻撃の要・鈴木栞奈(3年)を軸にゲームを組み立てたが及ばなかった。

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強いフィジカルと外からの攻撃に悩まされ、初勝利を逃した。京都両洋の3点シュート成功率は50%。ゾーンディフェンスを仕掛け、2点シュート成功率は44・2%に抑えたが、外から打たせ過ぎたことが敗因となった。また、夏から鍛え上げたリバウンドでも相手に及ばず。秋田北の35本に対し京都両洋は50本と、全国の身体の強さを痛感した。吉田美緒監督(27)は「全国の壁は高かったです。この貴重な体験を生かしていけるようにしたい」と振り返った。

第4Q、相手の勢いに圧倒されていたが、最後の最後に一矢報いた。残り17秒でのタイムアウト。吉田監督がかけた「自分たちのやるべきことを最後までやり切れ」という言葉に、新旧の主将がしっかりと応えた。残り7秒、前主将・鈴木の速攻からゴール下でパスを受けた伊藤里桜主将(2年)が落ち着いて沈め、ブザービーターで試合を締めくくった。2人はコート中央でハイタッチ。そのシーンを振り返った伊藤は、「最後、全国という舞台で栞奈先輩からパスをもらってブザービーターで決め切ることができて良かったです」。鈴木は「里桜は、私のパスを絶対に取ってくれるという信頼がありました。最後に1本決めきれてうれしかったです」と笑顔を見せた。

3学年、わずか10人で臨んだ全国での悔しい敗戦を糧に、秋田の“少数精鋭”は成長を続ける。【濱本神威】

◆テレビ放送 男子決勝は12月29日午後1時からテレビ朝日系地上波で、女子決勝は12月28日正午からBS朝日でともに生放送。