2月に開幕する北京オリンピック(五輪)代表で神戸学院大の坂本花織(21=シスメックス)が、極寒の地での初優勝で五輪前最後の競技会を終えた。

この日の帯広市は最高気温氷点下3度、最低気温氷点下13度の予報。リンクも冷え込み、演技前から体をさすっていたが、フリーのみで競われるインカレで156・73点を記録した。1年生だった20年は2位にとどまり、2年生になった前回大会は、新型コロナウイルスの影響で中止となっていた。

悔いが残るのは演技後半の3連続ジャンプ。ダブルアクセル(2回転半)-3回転トーループの後に2回転トーループをつけられず「寒すぎて…。手がかじかんだ時ってグーパーがすごくゆっくりになる。その状態が脚にきていた。曲げるタイミングがずれたら、こけてしまう。それがあって『(最後の3回転)ループも(踏み切りが)右足だし』って思って、つけられたのにつけられなかったです」と悔しげに振り返った。

それでも得点源のフリップ-トーループの連続3回転など、各要素はしっかりとこなしていった。次の競技会は2度目の五輪となる北京の大舞台。スピン、コレオシークエンスなどの出来栄え点(GOE)アップをテーマに掲げ「試合によって、氷や、今回みたいに気温がすごく冷え込んだりするかもしれないので、それを五輪の前に経験できたのはすごく良かった。収穫です」と前向きに進んでいく。【松本航】