世界女王のイガ・シフィオンテク(21=ポーランド)が、連勝記録を36に伸ばした。同252位で予選勝者のヤナ・フェット(クロアチア)に6-0、6-3のストレート勝ちを収め、2月のカタールオープンから負けなしの36連勝となり、90年以降、セレシュ(米国)と並び、女子2番目の長さとなった。1年ぶりの4大大会復帰のセリーナ・ウィリアムズ(米国)がアルモニ・タン(フランス)に負けた。男子では同101位の西岡良仁(26)は敗退した。

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女王が圧倒的な強さで、女子のセンターコート開幕戦を飾った。シフィオンテクは第1セットを完封。第2セットは1-3とリードを許したが、一気にギアを上げ5ゲーム連取。苦手と言われる芝の開幕戦も見事に克服し、「今大会の雰囲気や伝統は、わたしをやる気にさせてくれる」と、喜んだ。

ウィンブルドン初出場の19年は1回戦負け。昨年も4回戦で敗退した。球に順回転を多くかけるプレー。バウンドしてから低く弾む芝は、「(なれるまで)ちょっとトリッキーなのは分かっていた」。相性は良くない芝での勝利に「チームがサポートしてくれて実を結んだ」と感謝した。

2月のカタールオープンから、6大会連続優勝。その中には、2度目の全仏優勝がある。「自分の人生の中で、芝生でプレーしたのは、わずか12週間ほど」。最も得意で優勝した全仏の赤土での好調さと勢いをウィンブルドンの芝の上でも持続したいところだ。

この1勝で、90年以降、ヒンギス(スイス)が持つ最多連勝記録の37に、残り1勝と迫った。世界女王への期待と連勝記録の2重プレッシャーがかかるが、その状況を「とても楽しんでいる」。頼もしい言葉で、芝生の初栄冠に意欲的だった。

 

◆イガ・シフィオンテク 2001年5月31日生まれ。ポーランド・ワルシャワ出身。5歳でテニスを始め、18年ウィンブルドンのジュニアで優勝。20年全仏でツアー初優勝。ポーランド選手としては史上初めての4大大会優勝だった。今年4月、バーティの引退で、初の世界ランク1位に輝いた。176センチ。

 

◆ウィンブルドンテニスは、6月27日から7月10日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドでライブ配信される。