日本(世界ランク7位)が“世界最強”のフランス(同2位)と激闘を演じた。

8強入りをかけ、決勝トーナメント初戦で対戦。フルセットの末に2-3(17-25、25-21、24-26、25-22、16-18)で敗れた。

第5セットは先にフランスがマッチポイントを迎えるも、日本は石川の得点などで15-14とする。白熱した試合、勝敗を分けたのは、わずかの差だった。

22得点を挙げた石川祐希主将(26)は「悔しいのひと言しか出てこないです。チャンスをつかみかけて、逃してしまったことが悔しい」と言葉を絞り出した。

昨夏の東京オリンピック(五輪)金メダルのフランスとは、7月のネーションズリーグ準々決勝でも対戦。石川は試合会場のイタリア入りしてから左足首を負傷して出場できず、日本は0-3のストレートで敗れた。

雪辱の舞台として挑み、ネーションズリーグも制した相手を土俵際まで追い詰めながら、届かなかった。

「(左足首を)ケガしてコンディションを合わせながら、今日はベストで臨むことができた。(今まで)僕なしで、うまくチームを作ってくれたことに感謝したい。あと1歩の差。それは、コートの中の選手が感じている」

24年パリ五輪でのメダル獲得へ-。

今大会の目標である8強進出は達成できなかった。ただ、日本は確かな足跡は残した。

「勝つしかない。勝つことだけが、僕たちをステップアップさせてくれる。試合に勝って成長するしかないというのは、この試合で感じたことです。高さ、パワーは向こう(フランス)が上回っていましたけど、ディフェンスとサーブは戦えていた。もっと安定して戦うこと。それも、どれだけ勝つ経験を積むかにかかっている」

進む道は明確になった。世界の強豪を倒すために、石川はこう続けた。

「サーブは最初、感触が悪くてミスが多かった。途中から修正できましたけど、第5セット、リードしている場面でネットにかけてしまった。自分の力のなさです。サーブを確実に入れる力を身につけないといけない。1本の差、1点の差が出た試合。質の高いバレーをするためには、ミスをなくす必要がある」

この悔しさを糧に、さらに成長する。

その先に、パリ五輪でのメダルが見えてくる。

【日本のスタメン】

〈セッター〉

8関田誠大(28)

〈オポジット〉

1西田有志(22)

〈アウトサイドヒッター〉

12高橋藍(21)

14石川祐希(26)

〈ミドルブロッカー〉

2小野寺太志(26)

6山内晶大(28)

〈リベロ〉

20山本智大(27)

◆世界選手権 オリンピック(五輪)、ワールドカップ(W杯)とともにバレーボール3大大会の1つで4年に1度開催される。今大会はスロベニアとポーランドが共催。24カ国が6組に分かれて1次リーグを戦い、各組上位2チームと3位の中から成績上位4カ国の計16カ国が決勝トーナメントに進出。決勝は9月11日。競技方式はテクニカルタイムアウトなし、リクエストできるタイムアウトは1セット2回まで、セット間にコートチェンジを行う。日本男子の最高成績は70、74年の3位で82年は4位。98、06年は日本開催。前回大会(18年)はポーランドが大会2連覇を達成し、ブラジルが2大会連続で2位になった。

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