日本(世界ランク7位)がフランス(同2位)と、フルセットの末に2-3(17-25、25-21、24-26、25-22、16-18)で惜しくも敗れた。
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“世界最強”のフランスを土俵際まで追い詰めた試合で、日本の西田有志(22)は両チーム通じ断トツの最多31得点を記録した。
相手は昨夏の東京オリンピック(五輪)金メダル、今夏のネーションズリーグも制した強豪。世界ランクは日本の7位に対し、フランスは2位。
石川祐希主将を左足首の負傷で欠いた7月22日のネーションズリーグ準々決勝では0-3(24-26、16-25、20-25)のストレート負け。西田は「ファイナル8(準々決勝)で、ブロックとかいろいろされた。同じことを2度繰り返すのは嫌でした。気持ちで負けないようにと思っていた」と胸の内を明かした。
この試合に込めた闘志は、その表情、コート上で躍動する姿に表れていた。
第1セット(S)を失った直後の第2S、西田の連続得点で流れを呼び戻す。対角線へのスパイクはアウトの判定も、チャレンジの末に成功。16-12とリードを広げる。このセットの終盤、客席まで体を投げ出してボールを拾いにいった。
勝利への執念を、プレーで示した。
セットカウント1-2で迎えた第4セット序盤には関田、石川に続いてサービスエース。バックライトから決めて優位に進める。西田が得点を重ね、ついにファイナルセットに持ち込んだ。
「(東京五輪で)金を取ったチームと対戦できるのはうれしいこと。負けない気持ちを出すことはできた。1点の差、本当に1点の差だけでした」
言葉に悔しさがにじむ。
第5Sは先にフランスがマッチポイントを迎え、日本も追いつき、一時は勝ち越した。
14-14、15-15、16-16と3度のジュースの末に16-18。
目の前にあった金星は、指先をかすめ、逃げていった。
「悔しい。それしかないです」
ただ、確かな手応え、自信をつけた試合になった。
日本は最後の1本まで勇敢に戦い、オリンピック王者を本気にさせ、冷や汗をかかせたのだ。
「決定力をつけるように努力するだけです。ベスト8を目標にして、ベスト8以上の財産が残った試合。結果として出したかったが、チームとしての自信になった。ベスト16の中でも、より(内容の)濃いベスト16。また強くなって戻ってきます」
目標とした16年ぶりの8強も、その先にある4強という夢も届かなかった。
結果は残せていない。
ただ、結果だけではない確かな成長を、日本は強くなっているという自信を、選手たちは感じたのである。
【日本のスタメン】
〈セッター〉
8関田誠大(28)
〈オポジット〉
1西田有志(22)
〈アウトサイドヒッター〉
12高橋藍(21)
14石川祐希(26)
〈ミドルブロッカー〉
2小野寺太志(26)
6山内晶大(28)
〈リベロ〉
20山本智大(27)