全国高校ラグビー南北北海道大会は今日24日、旭川市東光スポーツ公園球技場で決勝が行われる。北大会5連覇を狙う旭川龍谷は、1回戦で左足大腿(だいたい)部を痛めて準決勝を欠場した右プロップのFW佐野凰惺(おうせい、3年)が前日練習で復帰。聖地花園での2年連続トライへ向け、出場権獲得を誓った。

痛みの残る足を引きずりながら、佐野は主力組でボールを追った。「決勝に出るために準決勝を休み、今日の練習も無理はしませんでした。決勝は痛み止めを打ってでも出ます」と決意を口にした。

小学生のころに柔道で痛めたケガが長引き、中学3年間は美術部だった。9月12日の「宇宙の日」に毎年開催される絵画コンテストの水彩画部門で、旭川および近郊の応募者の中でたった2人の優秀賞に輝いた。

100キロ超の体重を見込まれて高校でラグビー部に入ったが、当初は運動不足がたたり「ベンチプレスの(20キロの)シャフトを持つだけで、腕がプルプル震えた」という。50メートル走も9秒台と「みんなに全くついていけなかった」(佐野)。それから2年半、ベンチプレスは105キロ、50メートル走も7秒台まで上がった。

昨冬の全国大会1回戦対大津緑洋では前半29分にトライを挙げ、10-75の大敗の中で一矢報いた。小西良平監督(51)は「今年もさらにたくましくなった」と評価する。「今年もトライを取って、今度は(全国で)勝ちたい」と佐野。かつて自分の描いた、宇宙人などが浮遊する空間を走る銀河鉄道と同様に、ゴールライン奥の花園につながる“スペース”を目指し、疾走する。