バレーボールの女子世界選手権は2日、オランダのアーネムなどで1次リーグ最終節が行われ、D組の日本(世界ランク7位)はアルゼンチン(同18位)と対戦する。

主将の古賀紗理那(26)が右足首捻挫で欠場した前節、世界選手権では1982年ペルー大会以来、40年ぶりにブラジルから金星をつかんだ。国際大会でのブラジル戦勝利は17年ワールドグランドチャンピオンズ杯以来。3勝1敗の日本は既に2次リーグ進出を決めており、アルゼンチン戦も故障を抱える古賀は無理をさせない可能性が高そうだ。

ブラジル戦では古賀の代役として先発起用された石川真佑(22)が、第1セット(S)開始すぐのサービスエースで流れを呼んだ。井上愛里沙(27)の27得点に続き、チーム2位の18得点。最大7点差を逆転した第4S、最後に試合を決める得点を挙げたのも石川だった。

大活躍した背景には、真鍋政義監督(59)から「髪形を変えてみろ」という“珍アドバイス”があったという。いつもは髪を団子のようにまとめている石川は、ブラジル戦は三つ編みのポニーテール姿でプレー。同監督は「成功しましたね」としてやったりの表情を浮かべていた。

ブラジル戦後に石川は、こうコメントしている。

「3セット目、4セット目に相手にリードを許すことがあったので、出だしから自分たちの流れを作っていけるように次に向けて頑張っていきたいなと思います。サーブで攻めるということは(みんなで)話していました」

兄祐希(26)も世界選手権に出場。9月5日の決勝トーナメント初戦で男子の日本は、昨夏の東京オリンピック(五輪)金メダルのフランスとフルセットの激闘を演じた。日本がマッチポイントを迎え、あと1点で金星となった第5セット。兄のジャンプサーブは惜しくもネットに阻まれた。ただ、日本の奮闘は強豪を本気にさせた。

世界のトップにあと1歩まで迫りながら、ベスト8目前で敗れた兄の悔しさを胸に、今度は妹が快進撃を遂げる番になる。

「2次ラウンド進出が決まったんですけど、そこが目標ではなく、先があるので。まずは目の前の試合を集中して、気を抜かずにアルゼンチン戦に向けてチーム全員でいい準備をしていきたいなと思います」

石川や井上、林琴奈(22)に山田二千華(にちか、22)、セッターの関菜々巳(23)。

エース古賀に加え、彼女らが成長すれば、日本はもっと強くなる。