12歳の高橋星名(せな、木下アカデミー)が、104・35点をマークし、ノービスA(6月30日時点で満11~12歳)で初優勝を飾った。

落ち着いた滑りが光った。冒頭の3回転ルッツで転倒したものの、続くダブルアクセル(2回転半)-3回転トーループ-2回転トーループを冷静に決めた。終盤にはルッツとトーループの連続3回転ジャンプを成功させ、納得した表情を浮かべた。

演技直後はひょうひょうとした様子で「まあまあかな」と振り返っていたが、最後の連続ジャンプには手応えを得た。「最初にミスをして、後半は緊張をしていました。そうした中、最初に入れる予定だったトーループを、最後に入れることができました」と胸を張った。

昨年はノービスAで1年目ながら、全日本ノービス選手権3位。今年はスピンに力点を置き、「今までとれなかったスピンでレベル4をとれて、そういう面ではすごくうれしいです」と笑顔を見せた。

憧れの選手が2人いる。1人は北京五輪銀メダルの鍵山優真(19=オリエンタルバイオ/中京大)。もう1人は同じ木下アカデミーの森口澄士(すみただ、20)だ。

鍵山については「ジャンプの高さや表現力、スピンなど、ほかの選手とは違うように感じます」。森口については、ジャンプの幅や失敗時に修正するリカバリーなどを手本としていると明かしたうえで、「ステップでも力強く回っているので、尊敬できます。それと、すごく優しいところも尊敬できます」とほほ笑んだ。

いつか2人を追い越すべく、高橋が確かな一歩を刻んだ。【藤塚大輔】