スピードスケート女子の18年平昌オリンピック(五輪)500メートル金メダリストで、現役ラストレースの全日本距離別選手権(22日、長野)を優勝で飾った小平奈緒さん(36=相沢病院)が27日、都内ホテルで引退会見を開いた。

最後に一言、所属のトップである相沢孝夫理事長と結城匡啓コーチから門出のメッセージが贈られた。

相沢理事長は「一言じゃなきゃいけないの?」と笑わせながら「2009年から病院の仲間になってもらい、翌10年のバンクーバー五輪ではチームパシュート(団体追い抜き)で銀メダル。病棟の皆さんで触らせていただいて、我々(医療従事者)が頑張るよりも全員が元気になるものあった」と振り返った。

小平さんが信州大を卒業した後、所属が決まらず「1人ぼっちなのかな」と不安だった中、救いの手を差し伸べたのが、地元の相沢病院だった。その医療施設がアスリートを所属として抱えることには、さまざまな意見があったといい「雇わない方が良かったのかな」と相沢理事長は悩んだことも明かしたが「平昌で金メダルを取ってくれて、俺には見る目があったんだ、と胸を張れた。山あり谷あり、常に進歩を目指してくれて努力してくれて、ありがとう」と謝辞を述べた。

500メートルの37連勝や1000メートルの世界記録樹立など功績に触れ「人間、年を取らないようにするには、心がときめくことが必要と言われる。みんなの気持ちをドキドキさせてくれてありがとう」とも語った。

最後に「うちに来てから13年間の、たゆまぬ努力。ご苦労さまでした。ラストレースは隣に座っていたお父さんとグータッチし。小平らしい伸びのあるスケートを見たら、涙がポロポロこぼれました。感動をありがとうございました。これからも自分の人生を創り上げていってください」とエールを送った。【木下淳】