ラグビーリーグワン1部の静岡ブルーレヴズが、17日の開幕トヨタヴェルブリッツ戦(愛知)に向けて最終調整の段階に入った。磐田市大久保グラウンドで8日、ファンを入れて練習を公開。南アフリカ代表フランカーのクワッガ・スミス共同主将(29)も合流し、実戦練習を行った。またこの日、同市内で全選手とスタッフが参加してチームの必勝を祈願。また関係者が浜松市役所に表敬訪問した。【倉橋徹也】

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今季開幕まで残り10日を切った中、全選手がそろった。南アフリカでの代表活動で唯一合流できていなかったスミスが、4日夜に再来日。時差による体のリズムの乱れも「もうとれている」と準備万全をアピールした。新チームの練習に初参加。スクラムや実戦に取り組み、すんなりととけ込んだ。チームメートらとの久々のプレーに「温かく迎え入れてくれ、何も問題なく、いい練習ができた」と振り返った。

故郷での代表活動では、テストマッチ13試合に臨んだ。控え出場が多かったが、長期休みをとることなく、体を緩めなかったという。目前の今季に向けて「いいスタートが切れそう」と胸を張った。逆転負けの多かった昨季を反省し、今季は僅差の試合も「最後で勝ちきりたい」。開幕トヨタ戦に向け、力を発揮できる状態にあるといい「楽しみ」と笑みを浮かべた。

今季は奥村翔(かける、24)との共同主将体制で臨む。奥村は、スミスが代表活動で経験してきたことをグラウンド上で「チームに言葉で還元してくれた」と話した。開幕に向けて意思疎通を図るため、練習後には2主将と他のリーダーとでミーティングを行った。

スミスの動きをチェックした堀川隆延ヘッドコーチ(49)は「気力も体力も充実している感じ。まさにベストコンディション」と評した。合流初日から違和感なくチームになじむ適応力の高さに「彼に時間は必要ない」と脱帽。残り少ない時間で、チーム力の向上に追い込みをかける。

<必勝祈願>

旧チームのヤマハ発動機時代から恒例としている地元の見付天神矢奈比売(やなひめ)神社で必勝祈願した。全50選手と関係者の総勢68人が参加し、神妙な面持ちで臨んだ。初めてとなった玉串奉納の大役を無事に終えたスミス共同主将は「興味深い体験ができた」。その後、境内にある「触れると願いがかなう」という願かけ牛にSOサム・グリーン(28)と手を添え、優勝を祈念。スミスは「思いが届いて、いい成果を出せたら」とリーグ戦を見据えた。

<浜松市長表敬訪問>

山谷拓志(たかし)社長(52)とフッカー日野剛志(32)がこの日、浜松市役所で鈴木康友市長(65)を表敬訪問し、今季の意気込みを伝えた。鈴木氏から「リーグ優勝を目指して頑張って」とエールを送られると、日野は「チームの強みのセットプレーを軸に、戦う道筋は見えている」。昨季優勝の埼玉パナソニックワイルドナイツを迎える25日のホーム開幕戦(ヤマハスタジアム)について「この試合で負かすことができれば、自分たちの優勝が近づく」と力を込めた。