10月のグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダで初出場優勝し、今月上旬のグランプリ(GP)ファイナルで4位だった渡辺倫果(20=法政大)が好調だ。

ショートプログラム(SP)の曲かけでトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めて「調子はいい方です」。得意の3回転ループも降り「ファイナルの後はアクセルにこだわるというより、他のジャンプを正確に跳べるように練習してきました。その成果がこの大会で出れば」と話した。

昨年は6位だった全日本の舞台。今季のGPシリーズ代替出場など飛躍につながった大会だ。今年は立ち位置が変わった。

「また違った立場、感覚で全日本に臨む感覚になります。新しい形で。今季前半に得た経験は、すごくいいもの。これからのスケート人生の役に立つんじゃないかなと。その上で昨年の自分を超えられるように頑張っていければ。もともと何もない状態からファイナル。次は4大陸選手権とか世界選手権に出場したい。そういう気持ちが初めて芽生えました。去年は強化選手になれる8位以内を目指していたんですけど、今年は全日本の表彰台を視野に入れつつ、昨年の自分を超えられるように。立場は違うけど、特に重く感じることもなく頑張りたい」

今季、ロンバルディア杯やスケートカナダで優勝。「自信」について尋ねられると「そこまでは。それこそ、今季自体、自分の中で信じられないことばかり。ファイナルまで行っちゃってるんで」と笑いながら「この大会で自分が本当に実力あるか、自信が持てるかどうか分かる。ファイナルまで出場できたことは大きな経験にはなっているんじゃないかなと。いろいろ考えられないことが起きている中で、自分自身を確かめたい。今どのあたりにいるのかを確認する試合になるんじゃないかなと思います」と位置付けた。

中庭健介ヘッドコーチからは「ファイナルの表彰台まで、あと1歩だった。その悔しさを全日本で晴らせるようにしよう。表彰台を視野に入れようと話しました」とも明かした。【木下淳】